医療データ分析に向き合う理由

私が医療データ分析に取り組むようになった背景には、医療と介護の現場で長く向き合ってきた経験があります。

事業開始以前から、医療機関や研究機関との業務を通じて、病院運営に関わるデータ分析、医療需要推計、地域医療計画の作成支援など、医療現場を裏側から支える仕事に携わってきました。人口動態、疾病分類、財務情報など、医療に関わるデータは膨大でありながら、現場で十分に活用されていない場面が多くありました。

その経験から次第に、「医療データを使いこなせる仕組みが必要だ」という課題意識が生まれました。特に、医療・介護の境界にある支援領域では、データがつながらず、現場で意思決定に活かしにくいという問題が存在し続けています。

現在開発している医療データ分析アプリは、その課題を解決するためのひとつの試みです。目的は、大規模な分析ではなく、実際に現場で使える形でデータを整理し、判断の補助として活用できるようにすることです。

私は、医療を変えるのは技術そのものではなく、「技術を使える形に整えること」だと考えています。その考えをもとに、小さくても確実に役立つ仕組みを、これからも積み上げていきます。